
恋愛SSシリーズ「純恋結晶(略)」各話ごと解説5
これは、短文・SSの書き方を覚えるための習作である恋愛SSシリーズ「まるで純度の高い恋の結晶のような…」(略して「純恋結晶」)の各話ごとの解説(その5)になります。

- Episode9:この気持ちを恋と呼んでも良いのなら、
- 冬の時季になるとTVで流れる、某ホット・ミルクティーのCMが好きで、そんな感じのイメージを「上京して一人がんばる女子」のイメージとミックスして創ったのが、このSSです。
田舎の駅の、他にほとんど人がいないホームで交わされる会話だとか、寒い日に飲むあたたかい紅茶だとか、そういうのが滅茶苦茶ツボなんです。
あと、自分が「ほぼ始発」な電車で東京に通っていて、冬場には駅や電車の中で夜明けを迎えていたことが多かったので、そんな早朝の電車のイメージもミックスされています。
内容的には「恋」というよりも「恋の手前」の淡い感情のイメージです。
離れ離れになった“今”になって、ふっと思い出して心があたたかくなったり切なくなったりするような…。
ひと昔前なら東京と地方に分かれる男女と言えば男子が東京、女子が地方なパターンが多い気がするのですが(「木綿のハンカチーフ」のイメージ)、昨今は逆パターンも普通かな、と。
慣れない都会で孤独に頑張っている時に、こんな淡い恋の思い出があったなら、少し心が慰められたり癒されたりするんだろうな…という自分の願望も入っています。
ところどころに出てくる都会の印象は、自分が東京に通っていた頃に実際に感じていた印象から来ています。
低い建物ばかりで外に出ると必ず視界に山が映っていた地元に比べると、高い建物ばかりで山も何も見えない都会は別世界のようでしたし、新宿や池袋の駅の地下道は迷宮としか思えません…。 - Episode10:秘密の恋は、胸の奥に隠したまま
- 男性目線で二人称が「あなた」のSSを書こう、というのが先にあり、そこから逆算して組み立てられた話です。
(このシリーズでは「様々な一人称と二人称の組み合わせ=様々な関係性」にチャレンジしています。)
二人称「あなた」から、自然と“年上の女性への恋心”というのが浮かび、そこから何となく「実ることが許されない禁断の恋」というイメージに発展していきました。
「あなた」が主人公にとってどういう関係性の人間なのかというのは、当初はハッキリ決まっていて、本文中にも明記する予定だったのですが「いや、これ、詳細をぼかせば様々なパターンが想像できるじゃないか」ということに思い至り、あえてぼかすことで様々な関係性を想定できるようにしてみました。
(成就しないこと前提で書いているので、関係性については「どんなのもアリ」で考えています。←主人公に対してヒドい話ではありますが…。)
ピクシブさんの既存表紙制覇の関係から、クリーム色の無地表紙を使うために「クリーム色のスーツ」を無理矢理ねじ込んでいます。
(無地で色だけついている表紙ってイメージが難しいです…。)
“長い”年月を“短い”文章量でまとめているので、そのあたり「ダイジェストっぽくならないように」するのが難しかったです。
「出来栄えに納得できるか」と問われれば「正直、ビミョウ…」なのですが、「短文化スキルを磨くには良い課題だったかな…」とは思います。
ちなみに、このSSで一番書きたかった部分は「初恋の相手へのイメージは歳をとっても変わらない」というところです。
女性本人は「もうだいぶトシをとったでしょ?」と思っているのに、想いを寄せていた相手は「ちっとも変わらない」と思っている――そういう関係性が好きなんです。
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