
恋愛SSシリーズ「純恋結晶(略)」各話ごと解説4
これは、短文・SSの書き方を覚えるための習作である恋愛SSシリーズ「まるで純度の高い恋の結晶のような…」(略して「純恋結晶」)の各話ごとの解説(その4)になります。

- Episode7:画家の恋人
- 二人称「あんた」が書きたかったので、自然とサバサバした性格の女子目線になったSSです。
夢を追うということ、挫折するということ、人が人を選び・その人生を左右するということ…現実でも普通に起こり得るそれらを、恋愛にからめて描いてみました。
本編の中でも書いていますが、後の世で“天才”ともてはやされるような人物でも、存命中は報われていない、というケースは数多くあります。
世の中も、世間の評価も、所詮はそんな“いい加減”なもの――そんなシビアな人生観が出ているSSかと思います。
でも、そんなシビアな世界の中にも少しくらいは“救い”が欲しいなぁ…ということで、ここでは“主人公”にその役を割り振っています。
自分が挫折を味わって打ちひしがれている時に、友人でも恋人でも、こんな風に寄り添ってくれる人間がいればなぁ…という、個人的なドリーム(願望)も、かなり入っていますが…。
主人公が「自分は良妻賢母タイプではない」と言っているあたりが、そもそも前提として「女性にはそういうものが求められている」というステレオ・タイプな女性感を想像させかねないので、そのあたりちょっと迷ったりもしたのですが…。
(でも、その後に続く文章の“前フリ”として「私はあなたを完璧に支えられるようなパートナーじゃない」という意味の文章を入れたかったので、結局は書いてしまった感じです…。作者的には、良妻賢母タイプであろうがなかろうが、結局、人と人の関係性は“相性”次第でしかないと思っています。)
古い本の装丁のような表紙から「画家」を想像するあたりは、我ながら「ちょっとキビシイかな…」と思わないでもないですが…。
何となく直観で「美術」とか「芸術」的なイメージを受けたので。 - Episode8:初恋が実らない理由
- ブルーの無地表紙なので失恋モノを書こうと思って書いたSSです。
内容は、これまでネットやらTVやらで間接的に見聞きしてきた見知らぬ誰かの恋愛体験談が、頭の中で錬金術的にぐるぐるミックスされて自然と出来上がった感じです。
実体験ではありません。
ただ、主人公の「アクションを起こしたいのに勇気が出せなくて結局何もできず…」という臆病な感じは、思春期の頃の自分のメンタリティーに近いものがあります。
タイトルに多少迷ったりしたのですが…「初恋が実らない理由=本編で語られている内容」は、元々自分が常々思っていたこと“そのまんま”を書いています。
恋愛も結局は“人間関係”の延長線上にあるものなのだから、ある程度のコミュニケーション能力がなければ上手くいかないだろうな…という。
片方だけの努力による恋愛関係の維持には限界がある、というのも自論そのままです。
自分の引き出しの中にあったものを形にしただけなので、わりと書きやすくはあったのですが、ラストの形にかなり迷いました。
どういう形で終わらせるのか、試行錯誤で二転三転した末、結局ああいう形になったのですが、正直まだ迷いはあります。
スポンサーサイト