
活字離れ対策の個人的な実験場としての小説サイト(その1)
若者の活字離れやら本離れやらが囁かれ始めて久しい昨今、正直この問題は他人事ではないと思っています。
ネット小説だって広い定義で言うなら「本」のうちに入るでしょうし、文字だけで構成される作品という点から考えれば、確実に活字離れの影響を受けてしまうメディアのひとつだと思うのです。
なので、そんな活字離れ・本離れを食い止める対策というものを個人レベルでも考えて、それを実行に移してみているのがファンタジー小説サイト「言ノ葉ノ森」なのです。
(とは言えもちろん、あくまで最大の目的は趣味の小説の発表の場ということですので、それだけが目的というわけではありませんが…。)
とは言え、大規模な市場調査を行う能力も権限も無い個人レベルで思いついた策ですので、それに実際どの程度の効果があるのかは全くもって分かりません。
ある程度の結果予測すらできない、行き当たりばったりの、夏休みの自由研究レベルの実験に過ぎないものです。
それでも何もやらないよりはやってみた方が、もしかしたら「棚からボタモチ」的にものすごく魅力的な効果が得られるかも分からないですし、何よりただ普通にやっていくよりも刺激的で楽しいと思うのです。
そんなわけでいくつかの実験をしているわけですが…この実験、(それぞれやり方は違えど)基本的な考え方はだいたい同じで、大きく分けると2つのパターンに分かれます。
まず1つ目は、活字離れ・本離れの“原因”となりうる要因を個人的観点(←つまりはふとした思いつき)からピックアップしていき、それに対する対策をシステムとして、あるいは文章自体・物語構造自体の工夫としてネット小説に組み込むという、ごくごくシンプルなものです。
(まぁ、一つ一つはシンプルでも、その数が増えれば自然と多機能化して何だか複雑な感じになっていくのですが…。)
たとえば「漢字が苦手な人が増えているのではないか?」と思いつけばルビ機能をプラスしたりルビを多めに振ったりし、「語句の意味が分からない、もしくは誤解している、あるいは前述の理由ゆえに難解な単語に拒否反応を示している人がいるのでは?」と思いつけばワンクリックで用語解説を表示できるようにしたり…などです。
(本当はこの用語解説も、もっとビジュアル面を強化していきたいのですが、個人的能力の限界により果たせていません。)
システム面だけでなく文章自体についても「未知のものを“想像”すること自体が苦手な人もいるのでは?」と思いつけば「なるべく読者様の現実とかけ離れたものではなく、身近なものを使った比喩にしよう」と工夫したりしています(←もちろんボキャブラリーの問題でそれがムリなこともありますが…)。
さらにはマイナスな要因をただプラマイゼロに持っていくだけでなく、その上プラスに転化できるような方向でも策を練っています。
たとえば用語解説にしても、ただ単純に用語の意味を解説するだけではなく(←でもやはり解説も大事なので、そこも「辞書よりも分かりやすく」を目標に頑張ってはいます。辞書ってわりと、堂々巡りや説明文自体が難解で結局意味が分からないということも多いと思うので…。)、語源やちょっとした雑学情報をプラスすることで「普段何気なく使ってる言葉って、こういう所からきてるんだ」だとか「知ってるつもりでいたけど、これにこんな事実があったなんて!?」というような新たな発見ができ、言葉や知識を知ること自体に面白さを見出し、興味を持ってもらえたらなぁという願望を持って解説文を作成しています。
(とは言え、やはり個人的能力により全ての語句にそんな情報をプラスできるわけではないのですが…)
あとはまぁ、「文章の難易度や雰囲気により小説が読者を『選んで』しまっているのでは?」という懸念から「文章の難易度や雰囲気をある程度読者様の好きにカスタマイズできる」という機能を考案し、実験してみているのですが、やはり個人的能力の都合により、とても完全とは言えないレベルの仕上がりになってしまっています…
(正直、実際に連載を始める前の想定では「もっとイケる」と思っていたのですが、全然でした…。何が難しいかと言うと、普段当たり前に使っている言葉を全く別の、けれど同じような意味を持つ言葉に置き換えるという作業が実に難解なのです。国語の成績は良い方(←高校時代の全国模試で。偏差値MAX80~MIN58台)だったのですが、それでも追いつけないくらい、この作業は求められるレベルが高過ぎます…。)
ちなみに、大きく分けて2パターンの2つ目はマイナス要因からの対策でなく、プラス要因からの対策…すなわち、現在既に読書が好きという人間の「なぜ読書が好きなのか」とか「なぜ本を読むのが好きになったのか」という方向からのアプローチなのですが、長くなりそうですのでそれはまた次の機会に、ということで…。
あ、あと一応念のために書いておきますが、単純に活字離れ対策の実験だけで「自分の小説の」読者様を増やせるとはもちろん思っていません。
当たり前の話ではありますが、読者様に来ていただくためにはあくまでも「小説自体の」魅力が必要だと考えていますので、システムにかまけてそこに手を抜いているつもりはありませんので。念のため…。
関連記事>活字離れ対策の個人的実験場…以下略(その2)/(その3)
/読書の効能その1
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