
歴史に詳しくなくても楽しめる歴史小説を…
歴史恋愛オムニバス短編小説シリーズ「恋愛群像ヒストリカ」を書くにあたって心がけたことのひとつに「歴史の知識がそれほど無い方でも楽しめる歴史小説を書こう」ということでした。
現代とは違う過去を扱った歴史小説では、専門用語がバンバン出てくることも珍しくありません。
それゆえ、歴史の授業が苦手だった方なら二の足を踏んでしまうジャンルなのかも知れません。
しかし、現在ならぬ過去の時代とは言え、そこには現代にも通じる“普遍性”が存在しているはずです。
そこに注目し、そこを中心に描けば、難しい歴史用語を使わずに歴史小説を書くことも可能なのではないかと思ったのです。
逆に、歴史好きな方にとっては、そういった歴史の専門知識が無ければ「つまらない」と思われてしまうかも知れないのですが…
そもそも文章量の限られる「短編小説」で、説明に多くの文字数を割かれる専門用語を多用するのは大変ですし、自分が書きたいのは“歴史の知識”よりむしろ“歴史の中で展開する普遍的な人間ドラマ(特に恋愛ドラマ)”ですので、そこは今回諦めることにしました。
どうしても必要な説明についても、なるべく“説明感”を出さないようストーリーに溶け込ませる工夫をしています。
さらには、人名や国名などの固有名詞をほとんど出していませんので、歴史小説としてではなく、ヒストリカルなファンタジー小説のように読むことも可能かと思います。
(あくまで舞台が現実世界なので、厳密に言えば全くファンタジーではないのですが…。)
長さもなるべく短くなるよう心がけていますので、「普段は歴史小説を読まない」という方でも気軽に読んでいただけるとありがたいのですが…。
