
ひとりの人間の恋を通して歴史を読み直す
歴史は好きだけど「歴史の授業」はつまらない―学生時代、自分はそんな風に思っていました。
元々自分は歴史を「物語」として学ぶのが好きで、「ダイジェストにすらなっていない箇条書きのような」歴史の教科書の内容は、ひどく退屈なものに思えました。
ただ知識の羅列を覚えるだけの勉強は嫌いですが、歴史小説や時代小説は好きです。
特に、その時代を生きるひとりの人間になりきって読むことができる、そんな没入感のある物語が好きです。
なので今回、そんな歴史小説に自分なりに挑戦してみることにしました。
それが、この歴史恋愛オムニバス短編小説「恋愛群像ヒストリカ」です。
高校で世界史選択ですらなかった自分がはじめて西洋史に挑戦することになりますので、習作的な感じで書けるよう、短編のオムニバス形式にしています。
…で、短編である分、たくさんの物語が書けそうなので、毎話毎話で時代も国も人物も違う―シリーズを通して見ると、まるで“群像劇”に見える、そんな作品にしてみようと思いました。
1つ1つの話のモチーフは、壮大な歴史的事件というよりも、むしろその中で展開する個人的な恋の話です。
膨大な人類の歴史の中に一瞬だけ灯ったひとつの恋を、他人事としてではなく、自分事のように、血肉の通ったものとして描くことで、歴史に翻弄される人間の悲哀をよりリアルにあぶり出していきたい…そんな願望があります。
他の小説シリーズの合間合間に書いていくことになりますので、更新はかなりのスローペースになってしまうと思いますが…。
(ちなみにエブリスタさんでの投稿も初めてのことです。いろいろと新しいことに挑戦しています。)